第3章 着手金及び報酬金
第1節 民事事件
第13条 民事事件の着手金及び報酬金の算定基準
第14条 経済的利益 – 算定可能な場合
前条の経済的利益の額は、この規程に特に定めのない限り、次のとおり算定します。
1. 金銭債権は、債権総額(利息及び遅延損害金を含みます)。
2. 将来の債権は、債権総額から中間利息を控除した額。
3. 継続的給付債権は、債権総額の10分の7の額。ただし、期間不定のものは、7年分の額。
4. 賃料増減額請求事件は、増減額分の7年分の額。
5. 所有権は、対象たる物の時価相当額。
6. 占有権、地上権、永小作権、賃借権及び使用借権は、対象たる物の時価の2分の1の額。ただし、その権利の時価が対象たる物の時価の2分の1の額を超えるときは、その権利の時価相当額。
7. 建物についての所有権に関する事件は、建物の時価相当額に、その敷地の時価の3分の1の額を加算した額。建物についての占有権、賃借権及び使用借権に関する事件は、前号の額に、その敷地の時価の3分の1の額を加算した額。
8. 地役権は、承役地の時価の2分の1の額。
9. 担保権は、被担保債権額。ただし、担保物の時価が債権額に達しないときは、担保物の時価相当額。
10. 不動産についての所有権、地上権、永小作権、地役権、賃借権及び担保権等の登記手続請求事件は、第5号、第6号、第8号及び前号に準じた額。
11. 詐害行為取消請求事件は、取消請求債権額。ただし、取消される法律行為の目的の価額が債権額に達しないときは、法律行為の目的の価額。
12. 共有物分割請求事件は、対象となる持分の時価。
13. 遺産分割請求事件は、対象となる相続分の時価相当額。
14. 遺留分減殺請求事件は、対象となる遺留分の時価相当額。
15. 金銭債権についての民事執行事件は、請求債権額。ただし、執行の目的物の時価が債権額に達しないときは、第1号の規定にかかわらず、執行対象物件の時価相当額(担保権設定、仮差押等の負担があるときは、その負担を考慮した時価相当額)。
第15条 経済的利益算定の特則
1. 弁護士は、依頼者との協議により、受任する事件等に関し、第2章ないし第4章及び第7章の規定によらないで、1時間あたりの適正妥当な委任事務処理単価にその処理に要した時間(移動に要する時間を含みます。)を乗じた額を、弁護士報酬として受けることができます。ただし、別途成功報酬金を定めることを妨げるものではありません。
2. 前条で算定された経済的利益の額が、次の各号の一に該当するときは、弁護士は、経済的利益の額を、紛争の実態又は依頼者の受ける経済的利益の額に相応するまで、増額することができます。
- 紛争の解決により依頼者の受ける実質的な利益が、前条で算定された経済的利益の額に比して明らかに大きいとき。
- 請求の目的が解決すべき紛争の一部であるため、前条で算定された経済的利益の額が紛争の実態に比して明らかに小さいとき。
第16条 経済的利益ー算定不能な場合
1. 第14条により経済的利益の額を算定することができないときは、その額を800万円とします。
2. 弁護士は、依頼者と協議のうえ、前項の額を、事件等の難易、軽重、手数の繁簡及び依頼者の受ける利益等を考慮して、適正妥当な範囲内で増減額することができます。
第17条 民事事件の着手金及び報酬金
1. 訴訟事件(手形・小切手訴訟事件を除く。)、非訟事件、家事審判事件、行政審判等事件及び仲裁事件(次条に定める仲裁センター事件を除く。)の着手金及び報酬金は、この規程に特に定めのない限り、経済的利益の額を基準として、それぞれ次表のとおり算定します。
2. 前項の着手金及び報酬金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができます。
3. 民事事件につき同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、前2項にかかわらず、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
4. 前3項の着手金は、200,000円を最低額とします。
第18条 調停事件及び示談交渉事件
1. 調停事件、示談交渉(裁判外の和解交渉をいいます。以下同じ。)事件及び弁護士会が主宰する「仲裁センター」等の紛争解決機関への申立事件(以下「仲裁センター事件」といいます。)の着手金及び報酬金は、この規程に特に定めのない限り、それぞれ前条第1項及び第2項又は第21条第1項及び第2項の各規定を準用します。ただし、それぞれの規定により算定された額の3分の2に減額することができます。
2. 示談交渉事件から引き続き調停事件又は仲裁センター事件を受任するときの着手金は、この規程に特に定めのない限り、前条第1項及び第2項又は第21条第1項及び第2項の各規定により算定された額の2分の1とします。
3. 示談交渉事件、調停事件又は仲裁センター事件から引き続き訴訟その他の事件を受任するときの着手金は、この規程に特に定めのない限り、前条第1項及び第2項又は第21条第1項及び第2項の各規定により算定された額の2分の1とします。
4. 前3項の着手金は、100,000円を最低額とします。ただし、経済的利益の額が125万円未満の事件の着手金は、事情により100,000円未満に減額することができます。
第19条 契約締結交渉
1. 示談交渉事件を除く契約締結交渉について着手金及び報酬金を定める場合は、ディールサイズを基準として、次の各号のとおり算定します。本規程において、ディールサイズとは、取引に際して移動する交換価値を指しますが、取引の一方が現金ないし現金等価物を提供する場合はその金額とし、等価交換式取引等の場合は客観性のある時価をもってディールサイズとします。ただし、ディールサイズが3,000万円を超える場合においても、タイムチャージによる手数料を下限とします。なお、本条が適用される契約締結交渉とは、契約締結過程における交渉の立会・助言・戦略立案等をいい、確定した合意内容を法的に有効な文書とする活動(契約書等の内容に関する修正、内容のチェックを含みます)(第39条第2号(1))やデューディリジェンス業務を含みません。
2. 前項の着手金及び報酬金は、事案の内容により、30%の範囲内で増減額することができます。
3. 前2項の着手金は、100,000円を最低額とします。
第20条 督促手続事件
1. 督促手続事件の着手金は、経済的利益の額を基準として、次表のとおり算定します。
2. 前項の着手金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができます。
3. 前2項の着手金は、100,000円を最低額とします。
4. 督促手続事件が訴訟に移行したときの着手金は、第17条又は次条の規定により算定された額と前3項の規定により算定された額との差額とします。
5. 督促手続事件の報酬金は、第17条又は次条の規定により算定された額の2分の1とします。ただし、依頼者が金銭等の具体的な回収をしたときでなければ、これを請求することができません。
6. 前項ただし書に規定する金銭等の具体的な回収をするため、民事執行事件を受任するときは、弁護士は、前各項の着手金又は報酬金とは別に、民事執行事件の着手金として第17条の規定により算定された額の3分の1を、報酬金として同条の規定により算定された額の4分の1を、それぞれ受けることができます。
第21条 手形、小切手訴訟事件
1. 手形、小切手訴訟事件の着手金及び報酬金は、経済的利益の額を基準として、次表のとおり算定します。
第22条 離婚事件
1. 離婚事件の着手金及び報酬金は、次表のとおりとします。ただし、同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
離婚調停事件、離婚仲裁センター事件
又は離婚交渉事件
2. 離婚交渉事件から引き続き離婚調停事件又は離婚仲裁センター事件を受任するときの着手金は、前項の規定による離婚調停事件の着手金の額の2分の1とします。
3. 離婚調停事件から引き続き離婚訴訟事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による離婚訴訟事件の着手金の額の2分の1とします。
4. 前3項において、財産分与、慰謝料など財産給付を伴うときは、弁護士は、財産給付の実質的な経済的利益の額を基準として、第17条又は第18条の規定により算定された着手金及び報酬金の額以下の適正妥当な額を加算して請求することができます。
5. 前各項の規定にかかわらず、弁護士は、依頼者と協議のうえ、離婚事件の着手金及び報酬金の額を、依頼者の経済的資力、事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができます。
第23条 境界に関する事件
1. 境界確定訴訟、境界確定を含む所有権に関する訴訟その他境界に関する訴訟の着手金及び報酬金は、次のとおりとします。ただし、同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
2. 前項の着手金及び報酬金は、第17条の規定により算定された着手金及び報酬金の額が前項の額を上回るときは、同条の規定によります。
3. 境界に関する調停事件、仲裁センター事件及び示談交渉事件の着手金及び報酬金は、事件の内容により、第1項の規定による額又は前項の規定により算定された額の、それぞれ3分の2に減額することができます。
4. 境界に関する示談交渉事件から引き続き調停事件又は仲裁センター事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による額又は第2項の規定により算定された額のそれぞれ2分の1とします。
5. 境界に関する調停事件、仲裁センター事件又は示談交渉事件から引き続き訴訟事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による額又は第2項の規定により算定された額の、それぞれ2分の1とします。
6. 前各項の規定にかかわらず、弁護士は、依頼者と協議のうえ、境界に関する事件の着手金及び報酬金の額を、依頼者の経済的資力、事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができます。
第24条 借地非訟事件
1. 借地非訟事件の着手金は、借地権の額を基準として、次表のとおりとします。ただし、同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
2. 借地非訟事件の報酬金は、次のとおりとします。ただし、弁護士は、依頼者と協議のうえ、報酬金の額を、事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができます。
- 申立人については、申立てが認められたときは借地権の額の2分の1を、相手方の介入権が認められたときは財産上の給付額の2分の1を、それぞれ経済的利益の額として、第17条の規定により算定された額。
- 相手方については、その申立てが却下されたとき又は介入権が認められたときは、借地権の額の2分の1を、賃料の増額又は財産上の給付が認められたときは、賃料増額分の7年分又は財産上の給付額をそれぞれ経済的利益として、第17条の規定により算定された額。
3. 借地非訟に関する調停事件、仲裁センター事件及び示談交渉事件の着手金及び報酬金は、事件の内容により、第1項の規定による額又は前項の規定により算定された額の、それぞれ3分の2に減額することができます。
4. 借地非訟に関する示談交渉事件から引き続き調停事件又は仲裁センター事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による額の2分の1とします。
5. 借地非訟に関する調停事件、仲裁センター事件又は示談交渉事件から引き続き借地非訟事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による額の2分の1とします。
第25条 保全命令申立事件等
1. 仮差押及び仮処分の各命令申立事件(以下「保全命令申立事件」といいます。)の着手金は、第17条の規定により算定された額の2分の1とします。ただし、審尋又は口頭弁論を経たときは、同条の規定によります。
2. 前項の事件が重大又は複雑なときは、第17条の規定により算定された額の4分の1から2分の1の報酬金を受けることができます。ただし、審尋又は口頭弁論を経たときは、同条の規定により算定された額の2分の1から3分の2の報酬金を受けることができます。
3. 第1項の手続により本案の目的を事実上達したときは、前項の規定にかかわらず、第17条の規定に準じて報酬金を受けることができます。
4. 保全執行事件は、その執行が重大又は複雑なときに限り、保全命令申立事件とは別に着手金及び報酬金を受けることができるものとし、その額については、次条第1項及び第2項の規定を準用します。
5. 第1項の着手金及び第2項の報酬金並びに前項の着手金及び報酬金は、本案事件と併せて受任したときでも、本案事件の着手金及び報酬金とは別に受けることができます。
6. 保全命令申立事件及び保全執行事件の着手金は、100,000円を最低額とします。
第26条 民事執行事件等
1. 民事執行事件の着手金は、第17条の規定により算定された額の2分の1を下限、第17条の規定による額を上限とします。
2. 民事執行事件の報酬金は、第17条の規定により算定された額の4分の1を下限とします。
3. 民事執行事件の着手金及び報酬金は、本案事件に引き続き受任したときでも、本案事件の着手金及び報酬金とは別に受けることができます。ただし、着手金は第17条の規定により算定された額の3分の1を下限とします。
4. 執行停止事件の着手金は、第17条の規定により算定された額の2分の1とします。ただし、本案事件に引き続き受任するときは、同条の規定により算定された額の3分の1以上とします。
5. 前項の事件が重大又は複雑なときは、第17条の規定により算定された額の4分の1以上の報酬金を受けることができます。
6. 民事執行事件及び執行停止事件の着手金は、100,000円を下限とします。
第27条 倒産整理事件
1. 破産、民事再生、会社整理、特別清算及び会社更生の各事件の着手金(ただし、民事再生事件については次条のとおりとします)は、資本金、資産及び負債の額並びに関係人の数等事件の規模に応じて定め、それぞれ次の額とします。ただし、前記各事件に関する保全事件の弁護士報酬は、次に述べる着手金に含まれます。
2. 前項の各事件の報酬金は、第17条の規定を準用します。この場合の経済的利益の額は、配当額、配当資産、免除債権額、延払いによる利益及び企業継続による利益等を考慮して算定します。ただし、前項第1号及び第2号の事件は、依頼者が免責決定を受けたときに限り、報酬金を受けることができます。
第28条 民事再生事件
1. 民事再生事件の着手金は、資本金、資産及び負債の額、関係人の数等事件の規模並びに事件処理に要する執務量に応じて定め、それぞれ次の各号に掲げる額とします。ただし、民事再生事件に関する保全事件の弁護士報酬は、着手金に含まれます。
2. 民事再生事件の報酬金は、依頼者が民事再生計画認可決定を受けたときに限り、受けることができます。
3. 第17条の規定は、前項の報酬金の決定について準用します。
4. 前2項の報酬金の決定に際し基準となる経済的利益の額は、弁済額、免除債権額、延払いによる利益及び企業継続による利益等を考慮して算定します。ただし、次項の弁護士報酬を既に受領しているときは、これを考慮します。
5. 弁護士は、依頼者が再生手続開始決定を受けた後民事再生手続が終了するまでの執務の対価として、依頼者との協議により、毎月相当額の弁護士報酬を受けることができます。
6. 前項の弁護士報酬の算定にあたっては、執務量、着手金及び既に第2項の報酬金を受領している場合には当該報酬金の額を考慮します。
7. 民事再生法第235条に基づく免責申立事件(免責異議申立事件を含みます。)の着手金は、第1項第2号の規定により算定された額の2分の1とします。この場合の報酬金は、前項の規定を準用します。
第29条 任意整理事件
1. 第27条第1項又は前条第1項に該当しない債務整理事件(以下「任意整理事件」といいます。)で事業者に関するものの着手金は、資本金、資産及び負債の額並びに関係人の数等事件の規模に応じて定め、1,000,000円以上の額とします。
2. 前項の事件が清算により終了したときの報酬金は、債務の弁済に供すべき金員又は代物弁済に供すべき資産の価額(以下「配当原資額」といいます。)を基準として、次の各号の表のとおり算定します。
- 弁護士が債権取立、資産売却等により集めた配当原資額について配当原資額報酬金500万円以下の場合15%500万円を超え 1,000万円以下の場合10%+250,000円1,000万円を超え 5,000万円以下の場合8%+450,000円5,000万円を超え 1億円以下の場合6%+1,500,000円1億円を超える場合5%+2,450,000円
- 依頼者及び依頼者に準ずる者から任意提供を受けた配当原資額について配当原資額報酬金5000万円以下の場合3%5,000万円を超え1億円以下の場合2%+500,000円1億円を超える場合1%+1,500,000円
3. 第1項の事件が、債務の減免、履行期限の猶予又は企業継続等により終了したときの報酬金は、第28条第3項の規定を準用します。
4. 非事業者の任意整理事件の着手金は、1債権者当たり20,000円(税込)(ただし、最低金額を50,000円)とします。また、直接面談して交渉するなど格別の手間を要する債権者に関しては、適正妥当な範囲内で増額することができます。
5. 前項の事件の報酬金は、次の各号とおり算定する。
債権者に対する総支払額が減額された場合
利息制限法による引き直し前の総請求債権額から、債務弁済契約による総支払額の差額の10%とします。ただし、弁護士は、依頼者と協議のうえ、依頼者の経済的資力、事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、報酬金を適正妥当な範囲内で増減額することができます。
債権者から過払い金の回収ができた場合
上記1.の報酬以外に、債権者から返還を受けた過払い金(訴訟事件による勝訴判決を受けたときは当該勝訴判決における給付金額)の合計金額の20%とします。ただし、報酬金を適正妥当な範囲内で増減額することができる事については前号と同一とします。
6. 第1項の事件の処理について、裁判上の手続を要したときは、前4項に定めるほか、本節の規定により算定された報酬金を受けることができます。
第30条 行政上の不服申立事件
1. 行政上の異議申立、審査請求、再審査請求その他の不服申立事件の着手金及び報酬金は、第17条の規定により算定された額の3分の2とし、報酬金は、同条の規定により算定された額の2分の1とします。ただし、審尋又は口頭審理等を経たときは、同条の規定を準用します。
2. 前項の着手金は、100,000円を最低額とします。
3. 経済的利益の額が算定不能のときの着手金は、500,000円を最低額とします。
第2節 刑事事件
第31条 刑事事件の着手金
2. 前項の事案簡明な事件とは、特段の事件の複雑さ、困難さ又は繁雑さが予想されず、委任事務処理に特段の労力又は時間を要しないと見込まれる事件であって、起訴前については事実関係に争いがない情状立証のみを必要とする事件、起訴後については公判終結までの公判開廷数が2ないし3開廷程度と見込まれる情状立証のみを必要とする事件(上告事件を除きます。)、上告事件は事実関係に争いがない情状事件をいいます。
3. 会社犯罪事件、業務上横領事件、脱税事件の着手金は、第17条の規定により算定された金額とします。
第32条 刑事事件の報酬金
1. 刑事事件の報酬金は、次表のとおりとします。
起訴後
(再審事件を含みます)
2. 前項の事案簡明な事件とは、前条の事案簡明な事件と見込まれ、かつ結果において予想された委任事務処理量で結論を得た事件をいいます。
3. 会社犯罪事件、業務上横領事件、脱税事件の着手金は、第17条の規程により算定された金額とします。
第33条 刑事事件につき同一弁護士が引き続き受任した場合等
1. 起訴前に受任した事件が起訴(求略式命令を除きます。)され、引き続いて同一弁護士が起訴後の事件を受任するときは、第31条に定める着手金を受けることができます。ただし、事案簡明な事件については、起訴前の事件の着手金の2分の1とします。
2. 刑事事件につき同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、前2条の規定にかかわらず、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
3. 弁護士は、追加して受任する事件が同種であることにより、追加件数の割合に比して1件あたりの執務量が軽減されるときは、追加受任する事件につき、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
第34条 検察官の上訴取下げ等
1. 検察官の上訴の取下げ又は免訴、公訴棄却、刑の免除、破棄差戻若しくは破棄移送の言渡しがあったときの報酬金は、それまでに弁護人が費やした時間及び執務量を考慮したうえ、第32条の規定を準用します。
第35条 保釈等
1. 保釈、勾留の執行停止、抗告、即時抗告、準抗告、特別抗告、勾留理由開示等の申立事件の着手金及び報酬金は、依頼者との協議により、被疑事件又は被告事件の着手金及び報酬金とは別に、相当な額を受けることができます。
第36条 保釈等
1. 告訴、告発、検察審査の申立、仮釈放、仮出獄、恩赦等の手続の着手金は、1件につき100,000円以上とし、報酬金は、依頼者との協議により受けることができます。
2. 会社犯罪事件、業務上横領事件、脱税事件の着手金は、第17条の規定により算定された金額とします。
第3節 少年事件
第37条 少年事件の着手金及び報酬金
3. 弁護士は、着手金及び報酬金の算定につき、家庭裁判所送致前の受任か否か、非行事実の争いの有無、少年の環境調整に要する手数の繁簡、身柄付の観護措置の有無、試験観察の有無等を考慮するものとし、依頼者と協議のうえ、事件の重大性等により、前2項の額を適正妥当な範囲内で増減額することができます。
4. 第2項に定める場合以外においても、報酬金を受領することが相当とする結果が得られたときは、依頼者との協議により、第2項及び前項前段に準じた報酬額を受領することができます。
第38条 保釈等
1. 家庭裁判所送致前に受任した少年事件は、第5条の規定にかかわらず、家庭裁判所に送致されても1件の事件とみなします。
2. 少年事件につき、同一弁護士が引き続き抗告審等を受任するときは、前条の規定にかかわらず、抗告審等の着手金及び報酬金を、適正妥当な範囲内で減額することができます。
3. 弁護士は、送致された事件が複数である場合及び事件が追加して送致され併合された場合の着手金及び報酬金の算定については、1件の少年事件として扱うものとします。ただし、追加送致された事件により、少年の環境調整などのために著しく執務量を増加させるときには、追加受任する事件につき、依頼者との協議により適正妥当な着手金を受領することができます。
4. 少年事件が刑事処分相当として家庭裁判所から検察官に送致されたときの刑事事件の弁護士報酬は、本章第2節の規定によります。ただし、同一弁護士が引き続き刑事事件を受任するときの着手金は、その送致前の執務量を考慮して、受領済みの少年事件の着手金の額の範囲内で減額することができます。